述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります

サブスクリプション支払額がだんだん増えてきて恐ろしいという件

「インターネットは無料で情報が入手できる夢の技術」と一時期思われていたようですが、確かにWikiや5チャンネルのまとめやYou Tubeのおもしろ動画などは無料で楽しめるものの、極めて高機能で優秀なサービスはサブスクリプションモデルで月額経費を払う必要があります。

月額換算では大したことはないのですが、1年単位や5年単位で考えたときにどれくらいの負担になるのか、改めて計算してみたいと思います。

 

1 プロバイダーとsim料金

我が家の場合は、OCN光とOCNモバイルワンのコミコミのiPhone2台で、おおむね月額10000円。年間12万円です。キャリアのスマートフォンに比べるとかなり割安ではありますが、おそらく再来年あたりから始まるであろう5G LTEと10G通信のための各種底上げ経費がこれからかかりそうです。

www.ntt.com

 

2 サブスクリプション経費

我が家の場合は次のとおりです。

(1)Amazon Prime料金 年額3800円 毎月約300円

これは買い物もプライム・ビデオも含みますから絶対必要です。

(2)Amazon Kindle Unlimited 毎月980円 年間約12000円

書籍が無料で同時に10冊まで読めるサービスですが、あまり大した書籍はないのです。むしろ、有料なら絶対に買わないような書籍や雑誌が並んでいるので、気軽に情報収集できるという点と、それらの書籍を読む時間が費やされて、ムダな書籍代(読みたいけどカネを払いたくない)が抑えられるのがメリットです。

電子書籍も本格的に立ち上がってはきているのですが、専門書や郷土資料の類は紙媒体に頼るほかはなく、なるべくならブックオフの中古本で揃えて電子化して読むことになります。

(3)Spotify 毎月980円 年間約12000円

www.spotify.com

ライトな音楽ファンなら、Amazon Primeに含まれるAmazon Musicで十分なのでしょうが、相当ヘビーに聴きたい自分は有料サービでなければダメです。

代替サービスはいくつもありますが、私の周囲の人はみなSpotifyユーザーなので合わせている状態です。

(4)iCloud  50Gプラン 毎月130円 年間 1560円

無料プランでもよさげなのですが、Appleユーザーである以上、端末間の一斉同期にはiCloudを必要とするので仕方なく使っています。

(5)Google Drive 200Gプラン 毎月380円 年間 4560円

こちらは主にバックアップ用。相当前から所持していてiPadに格納している音楽ファイル、映像ファイル、電子書籍ファイルなどを格納しています。

(6)Day One  毎月350円 年間4200円

Appleユーザー必携の日記ソフト。今のところこれ以上の製品はないので、これからも使い続けることになりそうです。

 

以上で、年間経費26,120円となります。通信経費と合わせれば147,000円程度です。

5年で80万円弱 

プラットフォームになる、iPhoneiPadは5年買い替えとすれば、次の更新時の出費はおそらく20万円になりますから合わせて80万円。安い中古車相当分にはなる計算です。

 

3 これから導入を考えているもの

(1)コストコ

アメリカ型の倉庫型巨大スーパーコストコは、2019年内にネットショップをオープンさせるという報道も出ていますので、久しぶりに再入会しようとも思うのですが、年会費4800円はAmazon Primeに比べて決して安いとはいえず、直径45センチのピザとか一個500キロカロリーくらいありそうな巨大マフィン10個入りとかいうものがあるので、間違いなく太ります。

とはいえ、実店舗に行くと楽しいんですよね。時々妙なものも売っていますし。

www.cc21.jp

 

(2)Evernote有料プラン

いわゆる「ネットの魚拓取り」サービスなのですが、有料プランに加入すれば思考ツールとしても使えますし、Apple Pencilで書き込みもできますが、月額600円はさすがに高いかなということで、躊躇しています。

 

(3)You Tube Premium

 昨年暮れにロンチされたこのサービス、今のところ「広告なしで視聴可能」「バックグラウンド再生」というのが売りですが、最終的にGoogle Play Musicを置換してローカル音源もアップロードしてストリーミングできれば文句なしですけれど、まだそこまでは至っていないようです。

そのうち、誰かがレビュー記事を上げるでしょう。

matome.naver.jp

オンラインストレージもそのうち容量をアップさせる必要が生じますし、毎月支払額5000円を超えないよう、調整してみます。

新元号(名称未定)元年に始めることと撤収すること(個人メモ)

今年2019年は、今上天皇が退位して徳仁親王殿下が即位することに伴い新元号の最初の年となります。

そこで、今回は新年の抱負と同時に、撤収する物事も記念として書いてみたいと思います。

もう年齢的にまったく新たなことを始めるのは難しいですから、これまでやってきたことの中から継続してやっていきたいことを厳選していくことにします。

要するに新年の抱負であって、他所様に聞かせる話でもないのですが、「公開する」ということで、自分に気合を入れる意味を込めて書いてみます。

引き続き継続すること

料理

それほど本格的なものではなく、炊飯器クッキングと自家製発酵食品(納豆、ヨーグルト、塩麹、甘酒など)を中心に休日に何か作っていこうと思います。

あと、学生のころからやっているカレーやラーメン作りもボチボチ再開しましょう。

 

スキンヘッドと化粧

これは趣味ではないのですけど、これまで薄毛隠しに坊主刈りにしていたものの何やら年寄りくださいですし、若い人でもスキンヘッドにしているのを見習って昨年の暮から開始しました。(文字どおりお坊さんと同じ頭です。)

シェーバーで毎日剃る必要があるのですが、朝起きて顔を洗って頭を剃って髭を剃ると一日のはじまりが爽やかになります。*1

化粧・・は、外出時だけですが男性用リキッドファンデーションを塗ってニベアの色付きリップを塗ると、顔色がよくなってなかなか良い気分です。


音楽鑑賞/映画鑑賞ノート

就活や婚活で「趣味は音楽(映画)鑑賞です。」*2と答えるのは「趣味がない」というのと同じだという意見があるのですが、文字どおり仕事以外の人生をかけてのめり込んでいるか、ただの暇つぶしかの違いだと思いますので、私の場合は十分に趣味として通用するものだと思います。

これまで「読書ノート」を付けていましたが、これに音楽と映画が加わる形です。

加えて、今年からは音楽書をもっと読み込もうと思っています。具体的には教会音楽史やあまり聴いて来なかった現代音楽胎動前後の作品(ツェムリンスキー、スクリャービン、シュールホフなど)をもう少し勉強してみたいと思っています。

映画(ドラマも含めて)は、近作のほうが面白いと自分で思っているのですが、教養主義的な人たちが「当然知っている教養」になっている50年代日本映画のうち、まだちゃんんと見ていないものがあるので、これもノートに付けていこうと思います。

 

Linuxと他のUNIX系OS

90年代にはマニアのおもちゃだったLinuxが今やエンタープライズを担うようになっているわけで、もはや昔日のワクワク感はなくなりましたが、ちゃんと一式運用できるようになるまで再勉強しようと思います。

 

撤収すること

陶芸

老後の愉しみには最適にも思えますし、自分だけの茶碗やカップが作れるのは楽しいことなのですが、自宅で陶房を作るにあたり場所はあるものの粘土をこねるわけですから、結構汚れます。

また、さすがに窯焼きは外注(素焼きのあと釉薬を塗ってもう一度焼きます。)になりますから、決して安上がりな道楽ではないので残念ながらもうやらないことにします。

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マイ茶碗

作曲編曲

たぶん音大生かアマチュアの作曲家なのだと思いますが、格安で作曲を引き受けてくれるというので、自分の名前を音列にした曲や、ミニマルフレーズ3つのフェーズパターンを重ねる曲などを作ってみたのですが、どうも自分にはあまり才能がない*3ことに気がついたので撤収します。

そういうわけで、2019年の抱負でした。

 

 

 

*1:本当は眉も剃ろうかと思ったのですが、怖い顔になるからやめておけと強く止められて断念しました

*2:どうしたわけかそういう場で答える音楽のジャンルはクラシックかジャズでなければならないようで、わざわざそれを云うための安直な入門書が出ているくらいです。

*3:中学生のときに文化祭の出し物のためリコーダー合奏の「赤とんぼ」の編曲を任されたのですが、まともに笛が吹けない生徒のために大太鼓とタンバリンを任せたら、彼らが力任せにぶっ叩くものだから悲惨なアレンジになったことがあります・・・

山根明季子さん新作「THE FOLDED TIME」に私の少年時代の想い出を重ねてみました

作曲家 山根明季子さんの新作CD 「THE FOLDED TIME」を先日より堪能させていただいています。

 

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この作品は音響イベントまたは一種の集団即興のような形で10時間にわたり行われたもので、誰でも(といっても楽器がちゃんと弾ける人だと思います)好きな時間に参加して、「なるべく長い持続音」(←ここ重要)を出し続けるというものだったようです。

CD化に当たっては、10時間の音響を25分弱に凝縮したことで、短い音はパルス状に飛散し、ある奏者が10分程度鳴らしたであろう音が数秒程度で入れ替わるなどで、結果的に電子音響のような感触になっています。

山根さんの音楽との出会い

作曲家自身が積極的にSNSで情報を公開し、リスナーがそれを論評したものを拡散したりしている現在、知らない作曲家の作品に触れる方法はいくらでもあるわけですが、山根さんの作品については、NHK MUSIC TOMMOROWのBS収録放送を特に理由もなく録画していて、この時に演奏されていた「水玉コレクション No.06」を聴いて音が出た瞬間腰を抜かしそうになったようのが始まりです。(60年代用語を自虐的に使うと「シビれた」というのが相応しいかと思います。)

 以降、主にYou Tubeで山根さんの作品はすべてチェックするようにしています。

少年時代の想い出を重ねてみる

時代は1970年代末。ロック史の中では「ポストパンク」と呼ばれていた頃、ガラクタのような機材とテープレコーダーを集めてきて音響作品を作り上げるのが普通に行われており、当時のスローガン「D.I.Y」「楽器の下手な俺たちにもできるんだ!」というある意味無謀、ある意味希望に溢れた時代の雰囲気に乗って仲間内で音響作品を作り上げました。

今思い返してもなかなかの力作で、短波ラジオ(当時はマニアが多かったのです。)の各国放送の録音、ドラム缶の中にテープレコーダーを置いてあちこち叩いたり、さまざまな発声をしたりする「ドラム缶エコー」の録音、あまりにもボロクソで回転数の落ちているテープレコーダーから繰り返しダビングすることで音程とテンポを落とした音響や、倍速頭出し機能を使った早回し音響などをコラージュした10分程度の作品です。

これはアマチュアのやることだからお遊びということで許容もされるでしょうけど、プロの音楽業界においては「いい加減ちゃんとした音楽を聴かせろ!」という声が大きくなり、80年代後半以降はそういうムーブメントは下火になって行きました。

その頃私は、モダンジャズばかり聴いていた一時期があるのですが、現代音楽が"少なくとも以前よりは"広く親しまれるようになったことに伴い、音盤の入手が容易になりましたから、相当数の現代音楽を聴くようになって現在に至ります。

 

作品の感想

譜面にされたものではないようなので、作品の解説のとおり、音響操作の結果短い音がパルス状に散乱し、ある程度長い音が頻繁に入れ替わるのを虚心に聴くのが楽しいということです。

と同時に、かつてオープンソースソフトウェアのAudaciyを使ってアルヴィン・ルシエ作品の正弦波を操作してどこまでテンポを下げるとうねりになるかを楽しんだり、iPadアプリのVCSシンセサイザーが出す妙な音を逆回転させたりといったことをまたやりたくなってきました。

ただ、老人ではないものの決して若くはない自分の人生の残り時間を数えると、山根さんの新作に期待しながら過ごしたほうが有意義だろうなと思います。

私は長年読書ノートを付けているのですが、来年からは音楽鑑賞ノートも付けようと思いますので、山根さんの作品もYou Tubeに上がっているものから徐々に自分で整理してみましょう。

最近作文力が落ちていてあまり良い文章にならなかったですが、ひとまず感想文でした。

平成の世相を振り返ってみました

平成もそろそろ終わるということで、出版業界はあちこちで「平成回顧」の書籍や雑誌を出していますが、自分の経験に照らしても年表類を調べても、平成とはバブル景気とその崩壊、それに伴う経済金融政策以外に特筆すべきものがなく、激動と呼ばれる昭和に及ぶべきもありません。

 

二度の大震災とオウム事件は特筆すべきでしょうが、ここでは触れずにおいて、このブログの平成の終わりの記念記事として自分なりに「平成の世の中の変遷」みたいなものを書き連ねてみようと思います。

 

○女性活躍・女性の社会参画

男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年ですが、いきなり優秀な女性がドッと社会進出をしたわけではなく、同時に国民年金三号被保険者(一般には有配偶者の女性の年金納付免除)の制度ができたものだから、女性が社会から退出するか、被扶養の枠内に収まるようパート労働縮小を行って地ならしが終わった頃に、ようやく女性の総合職が社会に出てきました。

 

その人たちもバブル崩壊後の景気縮小で社会退出することが多くなり、男女共同参画や女性活躍推進など、多くの政策の果てにようやく軌道に乗りだしたのは平成の終わりくらいになっていたようになります。

 

とはいえ、こういう急速に行われた措置はバックラッシュも発生するもので、上場企業の一般職募集には高偏差値大学の女子学生が殺到するなどの現象も見られ、女性は自分の人生をどうしたいのか、大学卒業時に大枠を決めておいたほうが良いようです。

 

○公共事業と規制緩和とネット通販

1990年台後半、バブル崩壊後の不良債権処理にアジア通貨危機が加わって、すわ日本破産かという状況下で、バラマキを通り越してヤケクソのような公共事業を実施した結果、いわゆるストロー効果で地方の衰退が加速。これに規制緩和と通販が追い打ちをかけます。

 

また、規制緩和によってコンビニやスーパーで酒や煙草が買え、ドラッグストアで日用品や食料品が買えるようになり、これにネット通販が加わることによって生鮮食料品以外のものはほとんど手に入るようになりました。

 

その結果、地方住民の消費の多くが地元に還元されず、地方は衰退から疲弊、そして限界集落へと向かいます。

○IT


いわゆるパソコンブームとインターネットブームが起きて、現在はスマホさえあれば良い人も増えてきましたが、会社ではやはりPCは必須の道具です。

それまで一部専門電算要員の仕事だったデータ処理は、全社員必須のスキルとなり、飛躍的な業務能率の向上が見込まれましたが、実際にはそれとは逆に一層多忙になったというのが実情でした。

つまり、メインフレームの時代には定型資料の出力だけで、さらに必要に応じて電卓を使いながら加工していた頃は、数種類の資料作成で済んでいたものが、Excelの普及によって数十種類の資料が求められるようになりました。

 

ただし、多様な情報を提示されればされるほど判断に時間がかかりますし、公表するのが憚れる資料は改訂(改竄ではなく、もっともらしい理由で特定の母数を省くなど理屈のとおる形で調整する)を求められるようになってビジネスマンはいよいよ忙しくなりました。

 

○貧困の発見と消費


放送大学講師の西澤晃彦教授の説明によれば、日本が高度成長期に入って以降、あるいは一億総中流と呼ばれるようになってから、貧困とは発展途上国の貧民街のような外国の話であって、日本には貧困は存在しないものとされていたそうです。

 

ようやく貧困が日本社会の現実であることが自覚されたのは、なんとリーマン・ショック後に派遣切りが横行し、派遣年越し村の窮状を見るに及んだ頃からだそうです。

 

結果的に貧困状態にある人には最後のセーフティーネットである生活保護で生計を立てる方法があるわけですが、そういう家庭はかつてエンゲル係数をもじってエンジェル係数と呼ばれた子どもの教育費に割く予算が乏しく、子どもの自己努力だけで一人立ちさせるのが非常に困難なのが現状ですから、ここに貧困の再生産という社会現象が出来します。

 

一方で、かつて『世間並み』を買うものであった消費は、平成に入って『自分らしさ』を買うものとなり、自分らしさはどこまで追求しても達成感はないわけですし、取り立ててそういうものを求めない人は断捨離やミニマリズムといった別の極端に走り、手に入らないものもない代わりに欲しいものもないという状況になっています。


かくいう私も、欲しいものといえばデジタルデータ(配信で提供される電子書籍、音楽、映画など)とそれを処理するデバイスくらいのもので、家は借家で車は10年以上乗っている軽車両で、何も不便を感じていません。(私は嗜まないですがゲームの高性能化も大きいでしょう)

 

大前研一氏は、手に入らないものもない代わりに欲しいものもないという状況を「低欲望社会」と名付けていますが、こういう社会が続けば良いとまでは思わないものの、身の程さえ知れば気楽な世の中になったものだとつくづく思います。

<現代音楽入門書>こんな書籍にお世話になりました

「現代音楽」という、そもそも定義が困難でありながら一ジャンルを形成している音楽を聴いてすぐに感動できたという方は稀だと思います。しかし、もし少しでも興味が湧いたというのであれば、すでに感動の入り口に立っている状態でしょう。

ただ、闇雲に聴けば良いというわけではないので、「入り口に立っている人々」向けのいろいろな入門書が存在するわけです。

自分もそういう経験を経て、現代音楽に親しめるようになりましたので、その過程でお世話になった書籍を紹介してみたいと思います。

 

1 「現代音楽を読む」(ホアキン・M.ベニデズ)

現代音楽を読む―エクリチュールを越えて

現代音楽を読む―エクリチュールを越えて

 

 少年時代に出会ったバイブルのような本です。とはいっても、現代音楽を網羅的に紹介しているわけではなく、50年台~60年台における「管理された偶然性(アレアトリー)」「偶然性と不確定性の違いとその実践例」「現代音楽における即興の意義」についてかなり多くの作品例を紹介しています。


副題が「エクリチュールを超えて」とあるように、現代音楽における記譜はどうあるべきかということが主題になっています。

この本で紹介されていた作品
・ツィクルス(シュトックハウゼン
・ルフラン(シュトックハウゼン
・シュピラール(シュトックハウゼン
ピアノ曲Ⅺ(シュトックハウゼン
・7つの日より(シュトックハウゼン
・イマジナリーランドスケープ第4番(ケージ)
・HPSCHD(ケージ)
ほか

 

2 NHK電子音楽スタジオ記念番組(FM放送)

これは本ではなくFMラジオ放送です。NHK電子音楽スタジオの撤収に伴う一種の追悼番組ですが、数回に渡って戦後の音楽と電子音楽勃興の歴史を紹介していただきました。

電子音楽は生楽器では不可能な音色のセリーを実現できるという期待をもって実践されたため、ミュージックコンクレートと電子音楽はまったく来歴が異なることなど大変勉強になりました。

3 電子音楽・インジャパン(田中雄二

電子音楽in JAPAN

電子音楽in JAPAN

 

 
電子音楽というものを、「なんらかの電子的装置を用いて実現する音楽」と大雑把に定義すると、黛敏郎らの初期電子音楽冨田勲シンセサイザーYMOのテクノなどが同時に挙げられることになり、そうした現代音楽~ポピュラーの分野までカバーしてくれる良書だと思います。分厚い本なので読了が大変ではあります。派生書籍もいくつかあります。

 

4 はじめての<脱>音楽 やさしい現代音楽の作曲法

はじめての<脱>音楽 やさしい現代音楽の作曲法

はじめての<脱>音楽 やさしい現代音楽の作曲法

 

「作曲法」と銘打っていますが、これは親しみを持ってもらうための修辞だろうと思います。2018年刊行なので50年台のセリエリズムから60年台のフルクサス運動、ミニマル、スペクトル音楽まで網羅されていますから、入門には良い本だと思います。

ただ、音楽家が書いているせいなのか譜例が多くなりがちで、譜面を見ても音がイメージできない一般ピープルは少々困るわけですが、可能ならば誰かがこの内容をYou Tubeに実際の音や解説とともにアップしてくだされば、市民大学のような場でも使えるのではないかと思います。

5 NHK現代の音楽西村朗

これもFM番組。
時間枠が50分しかないとはいえ、昭和の昔から続く長寿番組です。昭和の時代には「我は前衛也」といったいかめしさがありましたが、昨今はそういうこともなく西村先生の平易な解説もわかりやすいですし、過去の巨匠作曲家から日本の若手作曲家まで広範に紹介してくれるので、私は毎週欠かさず録音して聴いています。

 

6 時間の園丁ほか(武満徹

これは音楽解説本ではなくエッセイ集です。武満徹の音楽の独特の響きを指して「タケミツトーン」と呼ばれることがありますが、この方は文章までタケミツトーンになっているという意味で、音楽の一節を聴くように読んでいました。

 

7 (おわりに)レコードコレクターにならなかった自分の幸運

一般に中学高校生時代はとかく小遣いが限られていますので、レコードを買うのは年に数回で、自分が持っていないレコードはクラスメートから借りてカセットに録音して聴くという、おそらく多くのご同輩が歩んできた道を私も歩んできました。

ただ、彼らはいろいろな音楽が聴きたいのではなく、「レコードが欲しい/集めたい」ので、レコードにまつわる思い出とか、ジャケットのデザインや触ったときの感触とか、付録ポスターとか、針を落とすときの感動とかいうものが重要だったわけですが、私は音楽それ自体しか興味がありませんでした。

だから、ある程度聴いたものは一応カセットに録音しておいて、すぐに中古レコード店に売り払い、得た金で別のレコードを買うということを繰り返してきました。

手元に残った音盤はほとんどありませんが、その分さまざまな音楽を吸収できたと思います。

現在、音楽は配信に移行しつつありますが、音盤には必ずついているライナーノーツなるものがなくなったので、あまり信用ができないWikipediaを参照するしかなくなりました。

その分、音楽書のニーズが高まったとも言えるので、今後とも現代音楽の良書が出てくれることを願います。

 

北海道大地震から一ヶ月 ブラックアウト直後の大騒ぎをまとめました

2018年9月6日未明に起きた平成30年北海道胆振東部地震は、震源に近い厚真町で甚大な被害が起きたほか、札幌市内でも地盤の緩い箇所の液状化や道路寸断が起きました。

復旧は行政によって行われるでしょうが、本日ちょうど一ヶ月目を迎えましたので北海道全域停電(ブラックアウト)直後に起きた、市民のパニックや流言飛語などを書き綴ってみます。

 

1ガソリンスタンドに3時間並んでハイオク10リットルを入れてきた人

車での移動が欠かせない人は、電力が復旧すると同時にガソリンスタンドに殺到し、すでに交通規制を敷かねば危険なレベルの長蛇の列。

とある男性、ガソリンスタンドに3時間並んで、自分の番が来たときにはすでにレギュラーガソリンは売り切れ、仕方がなくハイオク(給油制限で10リットルまで)を入れて帰ってきたそうです。

これは翌日になるとちゃんとタンクローリーが補充に来て通常通りの給油制限なしの営業になるも、すでに多くの人が給油したためスタンドはガラガラ。3時間を無駄にしてしまった気の毒な人の話です。

 

2コンビニに最後まで在庫があったもの

電力復旧とともにコンビニに殺到した人が買い求めたのは、電池とスマホ用充電池、そしてミネラルウォーターと長期保存の効く食べ物(カップ麺、スナック、缶詰など)です。

最後まで在庫が残っていたものは、「お酒」と「激辛スナック」でした。

 

3 なぜかトイレットペーパーを買いだめしていた人

1973年11月の第一次オイルショックは、一般にはトイレットペーパーや洗剤の買いだめで大混乱したということで歴史に残っていますが、どのみち断水すれば洗濯はできませんし、家族構成にもよりますが男性は女性に比べてあまりトイレットペーパーを使いませんし、どうしても買いだめしたければAmazonパントリーでオーダーしておけばよいはずです。

況してや、オイルショックのときのような狂乱物価とセットになっているわけではない(オイルショックのときは、次に品物が店頭に並んだときにはもう値上がりしていました)のですが、どうしたわけかパニックになると身体に近い部分の商品を買い占める傾向があるようです。

4 計画停電の噂

損傷した苫東厚真発電所が回復するまでは、計画停電が実施されるというのは一応「可能性」として云われていましたが、エレベーターが止まると生活に支障をきたすタワーマンションにお住まいの方は厳重警戒モードになっていたものの、幸いにしてそれは回避されたようです。

もっとも、これから電力需要の増す冬に向かいますし、強度の余震でまた何が起きるかわかりませんから、北海道民は皆警戒モードになっていますし、公共施設では未だに節電が続いています。

5 地元マスコミの傍若無人

土砂に巻き込まれた両親の息子に「おとうさーん おかあさーん 返事をしてよー (号泣 )」という下手なヤラセ演技をさせていた地元テレビ局。

おそらく金をつかませたんだと思いますが、こんな非道なことを平気でやったうえに、立ち入り禁止区域に堂々と乗り込んでカメラを回していました。二次災害に巻き込まれて帰れなくなって一緒に避難生活でもすればよいと思いました。

 6 液状化の現場に写真を取りに行く人

液状化の現場というのはリアルではそう見れるものではないから、実際に見たい気持ちはわかりますが、あろうことか傾いた家の前でピースサインをして写真を取り、SNSにアップしている人がいたようです。とんでもないことです。

 

 7 近づく冬 今年の北海道

もうすぐ冬支度の買い物をしだすシーズンなのですが、電気がなくても暖が取れる電池式石油ポータブルストーブは、すでに在庫切れで入手は不可能な状態が続いています。

8  おまけ(熊本産フェアの話)

電力復旧直後の品薄なスーパーで、どういうわけか熊本特産品フェアをやっていました。同じ被災地同士で励まし合おうという趣旨なのか、偶然なのかわかりませんが、せっかくですから辛子蓮根でも買っておけばよかったです。

そのほか、学校が休校になって、大人たちがスーパーに行列を作っているのを見て小学生の男の子が大はしゃぎしていました。お母さんは「はじめての停電、そんなに楽しいかい?」と声をかけていたのが微笑ましかったです。

 

 

 

 

 

 

低音デュオセカンド・アルバム「双子素数」の感想

チューバ(orセルパン)とバリトンによるユニット 低音デュオの第2作目が3年ぶりにリリースされたので、早速購入鑑賞をいたしました。今回も早速感想を書いてみたい思います。

双子素数

双子素数

 

 

前作「ローテーション」は、中世~ルネッサンス音楽と現代音楽から選曲されており、どちらかというと女性的(中世~ルネッサンス音楽が女性的かどうかは異論がありましょうが)な面もあったのに対して、今回は現代音楽のみ、既知曲なし、武満ソングのような大衆受けのする曲ももちろんなしで、より男っぽくなった(?)印象です。

 

ローテーション

ローテーション

 

ちなみに、iTunesCDDBによるジャンル分けは、「ローテーション」が"Pop"で「双子素数」が"Classical"となっています。もちろん正しいとか間違っているとかではないのですが、そういう世間のイメージになっているようです。

 

楽曲

○感情ポリフォニー

「感情についての説明」がテキストとして用いられており、音楽それ自体はその感情とはあまり関係がないところが面白い曲です。この曲で驚くのはチューバの橋本さんが語りと演奏を頻繁に切り替え、中にはマウスピースに唇を当てたまましゃべっているらしき部分もあり、ボケっと聴いている分には楽しい曲なのに、演奏はおそらく相当に至難なのだと思います。オイ!(やや喧嘩腰)、オーイ(呼び声)、エ?(とまどいがち)といった擬音語の感情表現も出てきます。

○高音化低音

今回のCDで一番気に入った曲です。標題だけで想像すればものすごいファルセットを歌うとか、超絶ハイトーンを出すとか、あるいは電子処理するとかなのですが、そういう趣旨ではなかったようです。

まず、二人の息ノイズ。ホワイトノイズと考えれば理論上超低音から超高音まで均等に含んでいるわけです。

そのまま母音唱法を繰り出しながら全休止するときに、金属的な高い音の余韻が残っています。

どうやって出しているのかわかりませんが、ピアノの中に発声しているとか、銅鑼に向かって音を出しているとか、チューバのベルの中に発声しているとかではないかと思います。

そのまま母音唱法を繰り出しながらだんだんホーミー的な和音が聴こえだし、見えない高音のようのものが現れ、あるいはうっかりするとモーグシンセかと間違いそうになるあたりで、かん高い金属打楽器の音が一音鳴って終わります。

 

 ○明日も残骸 しいんと ぼうふらにつかまって

ぼうふらというのは昨今ではあまり見なくなりましたが、蚊の幼虫です。これ以上ないというくらいに軽く水面に浮かんでいるのですが、この「ぼうふら」「残骸」「しいんと」というテキストと音楽のもたらす荒涼とした不安定なイメージは、どこか懐かしい響きがする不思議な感覚に襲われました。

これは私の幼少期の思い出に繋がるのですが、それをここで書いても詮無いことなので、とにかくそういうノスタルジーを誘う作品に聴こえました。

○児童鯨

トランペットで馬のいななきができるのなら、チューバで象の鳴き声もできるのではないかと漠然と思っていたのですが、小型の鯨の鳴き声を音楽で模倣した作品だそうです。

mmmmmmmmmmmmm...............という高音の鳴き声、コポッコポッというチューバの音などが散りばめられていて可愛らしい曲です。

○他の2曲

「ジョルジオ・デ・キリコ」と「双子素数」は、何度聴いても「現代歌曲」にしか聴こえず、積極的な感想が出てきません。申し訳ないです。

松平さん参加のユニットとしては、この低音デュオのほかに双子座三重奏団というのがあり、こちらはまだCDは発売はされていませんが、コンサートには一度行ったことがあります。

一方、低音デュオのほうはまだ実演に接したことがないので、機会あればぜひ出向きたいと思います。(地方在住の悲しさよ・・・・)

 

前作も今回の作品も同じですが、ややグレードの高いオーディオで聴いたほうが良い音楽だと思いました。(クラシック音楽全般はそうでしょうが、特に低音強調の音楽ではその傾向が高いです。)

Airpodsで聴くと低音がビリビリ云いますので、できればやや性能の良いヘッドホンで聴くのが良いです。

かつての上司に相当コアなオーディオマニアがいて、「50万円のスピーカーで聴くくらいなら5万円の高級ヘッドホンで聴いたほうが良い音がするか」と質問したら、即答で「然り」とのことでした。

せっかくなので、金策ができたら5万円はムリとしても2万円程度のヘッドホンを買ってみようかと思った次第です。