述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります

(コンサート見聞録)ペンデレツキ/ショスタコーヴィチ/ストラヴィンスキー(札響第617回定期演奏会)

春はまだ遠い3月の札幌で怖い曲ばかりのラインナップ

東京基準ではすでに春の始めにもかかわらず、札幌では時候の挨拶が「初春の候」ではなく「解氷の候」になる3月16日。みぞれ降る寒い中、札幌キタラホールまで掲題のコンサートに足を運んできました。

 

演奏曲目は次のとおりです。

 

ペンデレツキ「広島の犠牲者に寄せる哀歌」

ショスタコーヴィッチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」

ストラヴィンスキー春の祭典

 

現代音楽とはなにかという難しい定義を脇に置けば、それぞれ20世紀中盤の前衛音楽(トーンクラスター技法による)の古典、ソビエト現代作品、20世紀初頭の最前衛作品となります。「春の祭典」については、その受容史を振り返れば1970年代までは現代音楽の部類に入れられていたはずです。

ちなみに、座席は一番安いオーケストラの後ろ席でしたので、指揮者がどんな風に振っているか、打楽器がどんな動きをしているかなどがよく見えるという利点もありました。

 

指揮者とソリスト

このお二方です。

f:id:sanayan999:20190317032103j:plain

f:id:sanayan999:20190317032131j:plain

演奏について

ペンデレツキ「広島の犠牲者に寄せる哀歌」

現代音楽屈指の「怖い曲」ということで、こちらも相当緊張して臨んだわけですが、「あれ?そうでもない」というのが第一印象でした。これは弦楽器だけなので音圧がそれほどでもないからということのようです。

むしろ弱音になってから、「来るぞ来るぞ・・・」という期待感に違わず

・弦楽器のボディを叩く「バタバタバタバタ」という音
・弦楽器のピチカートの連続「ブチブチブチブチ」という音
・弦楽器の駒の下を擦る「グキキキキキキ」という音

これらが寄せては返すように繰り返され、最後は人間の呻き声のような分厚いクラスターに繋がっていって終わります。

ウルバンスキ氏はタクトを持たずに指揮し、両手でなにかを掴んだり離したりするような動作に終止していましたが、これはそれぞれのパートにキューを出しながら音量と持続時間を指示しているのだと思います。

オーケストラの後ろ側の席ということで、「まるで羊羹」と形容されるトーン・クラスター技法曲特有の黒い帯状の楽譜を見ることができました。

札響にとっては今回が初演らしいのですが、「札幌初演」ではないようなので、おそらく毎年開催されるPMFフェスティバルの総監督で来ていたこの曲の作曲者であるペンデレツキ氏がPMFオーケストラで演奏していたのだと思います。

 

ショスタコーヴィッチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」

全部で4楽章からなる相当大規模なヴァイオリン協奏曲です。第3楽章の終わりに長大なカデンツァが置かれて、そのままアタッカで第4楽章に突入して熱狂のうちに終わるのですが、第1楽章の沈鬱な楽想から、第2楽章に入って次第に音の動きが慌ただしくなって狂ったように激しいスケルツォに至るときの痛快感は実演で聴くとたまらないものがあります。

同じく、第3楽章の沈鬱な響きから長大なカデンツァを挟んで再び熱狂歓喜の第4楽章が終わると、客席から一斉大ブラボー大拍手が起きました。お義理ではなく本当に熱狂していたようで、何度も呼び出された末、アレクサンドラ様が片言日本語でアナウンスの後、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から1曲(どの曲だったか失念)アンコールで演奏しました。

 

 ストラヴィンスキー春の祭典

 休憩を挟んで今回のメインプログラムです。予想はしていましたが大オーケストラによる全楽器の咆哮というものは、実演で聴くと大変な迫力でした。

曲はよく知られていると思いますのでいちいち書きませんが、特に大きなテンポの変化はなく、変な表現ですがノッた感じで聴ける演奏でした。

びっくりしたのは、冒頭のファゴットの高音ソロの部分の出だしにウルバンスキ氏は一切キューを出さずに*1ファゴット奏者が勝手に始めて他の楽器が入りだす頃からなんとなく指揮を開始したことです。リハーサルだとまた違うのかもしれませんが、本番では全体的にあまり大振りをしないで、右手で拍子を取りながら、左手で指をヒラヒラさせている不思議な指揮でした。

終結部の「いけにえの踊り」では、ウルバンスキ氏ご本人が踊っているような感じで、時々腰をくねらせながら、まるで「はい。これは難曲ですけど暗譜でも楽勝ですよ!」と言わんばかりの指揮ぶりでした。

終結部。ピッコロの♪ヒャラララの導入なしで*2一気にズドン!と終わりました。これも大ブラボー大拍手

拍手が鳴り止まず、3回指揮者を呼び出してもまだ鳴り止まず、まさか春の祭典のあとでアンコールをせがむのかと恐ろしくなりましたが、会場側が照明をつけて強制終了と相成りました。

 

気がついたことや疑問点など

 (1)チェレスタの音はびっくりするくらい小さい

ショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲では2台のハープとチェレスタが同じ音型を奏でるのですが、ほとんどハープの音しか聴こえませんでした。

 (2)トライアングルの音

トライアンゲルの三角形頂点近くを叩くとチューブラー・ベルズのような音がするようです。

 (3)シロフォンとマレット

ショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲で使われるシロフォンでは相当硬いマレットを使っているようで、激しいスケルツォの中で際立って響いていました。

 (4)春の祭典の冒頭のファゴットソロ

やはり相当大変な高音であるらしく、演奏終了後にファゴットパートがソロを取ったそ奏者に「よかったよかった!」という感じで握手していました。

 

まとめ

定期演奏会のためか会員の方々が多かったようで、退屈そうにしている人もフライングブラヴォーをする人もおらず、マナーの良い聴衆に囲まれて久々に良いコンサートを聴かせていただきました。

*1:目で合図していたかもしれません。

*2:バレエとして上演するのでなければこのほうが私は好きです。

松平敬著「シュトックハウゼンのすべて」読後感想文

シュトックハウゼン作品の演奏においては、日本におけるスペシャリストのひとりであり、ドイツ・キュルテンで開催されるシュトックハウゼン講習会に何度も参加して、いくつか受賞もしている松平氏が、20年以上に及ぶ研究の成果を体系化したシュトックハウゼン解説書が刊行されましたので、早速購入して読ませていただきました。

 

シュトックハウゼンのすべて

シュトックハウゼンのすべて

 

 

ja.wikipedia.org


「CDが幸福だった時代」のシュトックハウゼン全集

時は90年代半ば。日本の土地株式バブルは崩壊して無駄なグルメや散財はすっかり影を潜めてしまいましたが、ことCDにおいては次のような理由でまさに絶頂期を迎えていました。
(1)インターネットはまだ普及していないので、新譜情報が極めて限られていたこと
(2)CDが買えないほど窮乏していたわけでもなく、今に比べてゲームを除く娯楽が限られていたことから、LPからの移行を終えたばかりのCDが売れる余地があったこと*1
(3)活況を受けて大手CDショップのバイヤーは意欲的に海外の正体不明なCDを買い付けてきて店頭に陳列していたためマニアも熱狂する余地があったこと。

そんな中に、忽然と現れたのがシュトックハウゼン出版*2からリリースされている全集でした。おおむね作曲年代順に通し番号が打たれていて、シュトックハウゼン直筆の不思議にポップなジャケットが目を引き、どこか魔術的な購買欲をそそられる作品集。私は早速買い集め始めました。

しかし、付属するブックレットには丁寧な作品の解説が載せられていたものの、それはどちらかといえば演奏者向けの内容であって、純粋リスナーにとっては敷居と高いものでした。

それから20年の歳月が経ってようやく本格的な解説書の登場となった次第です。誠に慶賀の至りといえましょう。

 

作品の数々を思い出しながら読んでみました

この本は「まったくシュトックハウゼンの作品を聴いたことがない」「聴いてみたいけどどれから聴けばいいのかわからない」という入門者向けではなく、すでに全集CDをある程度聴いたことがある人がより理解を深めるための本といえるでしょう。

とはいっても、聴くだけなら簡単でYou TubeSpotifyにはある程度の音源(中には違法なものもあるのですが・・)があるわけで、それらを聴いて少しずつ端緒をつかみながら読んでみるのが良いと思います。

私は、近年リリースされたものを除きほぼすべてのCDを購入して聴いてきましたし、同封のブックレットに記載された解説書(英文)を貧相な語学力を駆使して気合いで読んできましたが、それでも「さっぱりわからん」ということで音を上げてしまった作品が、この本では明確に解説されていて、長年の疑問が氷解したものが多々あります。

 

「さっぱりわからん」のリストの一部

・モメンテ(あるいはモメンテ形式)

リュック・フェラーリの映像作品で演奏動画が紹介されていて、コンタクトマイクを使用していることや、モメントごとの音楽的な集合のことはわかるのですが、全体としてどう鑑賞してよいのか不明

・光の金曜日

ステージ上に次々現れるバケモノ人間(笑)は一体なんですか??

・光の水曜日

どうして全曲上演ができていなかったのか(上演写真を見れば全曲の統一的理解につながると思うのですが)

・光の土曜日 ルツィファーの踊り

演奏途上でオーケストラがストライキで演奏を中断して帰ってしまう演出は、ヨーロッパでは時々あるらしい上演拒否やストライキへの当て付けなんでしょうか?

 

シュトックハウゼンに対する誤解と偏見

いわゆる前衛の時代が終焉したあとのシュトックハウゼン作品については、情報が少ないこともあって、神秘主義にかぶれて誇大妄想になった狂人などという中傷が流布されていて、あるいはそこまで行かなくても「作品に魅力がなくなった」という批評が多かったようです。

確かに表面的に見れば、クラリネット奏者が妙な衣装でステージ上を動きながら演奏するとか、雅楽に合わせて西暦年の溝をダンサーが踊っているとか、弦楽四重奏団がヘリコプターに乗って演奏しているとか、とかく喫驚する楽曲が多いわけですから、誤解されるのもやむを得ないかと思うのですが、私が実際の演奏や映像を見た限りでは、むしろユーモラスな音楽ばかりだと思います。清水譲氏も書いているとおり「シュトックハウゼンはどこかポップな印象がある」という意見に私も賛成です。*3

 松平氏も同様のことを言っており、1970年台以降の作品にはユーモアも重要な要素であるとのことです。

 

 いろいろと開眼したことなど

ここですべてを紹介することは不可能ですが、シュトックハウゼン作品の中では比較的聴取が容易で配信音源でもいくつか出ている「マントラ」(1970年)を取り上げてみます。

この曲は、私がLP時代に買ったシュトックハウゼン作品3枚のうちの1枚であり、思い出深い作品なのですが、最初聴いたときには「なんだかマントラ真言)という割には東洋的な雰囲気があまりしないし、淡々としてとらえどころがない曲だなぁ」というのが正直な感想でした。

今回、松平氏の著作を読むと、この曲は12音すべてに極めて多種多様な属性定義がされていて、これを全曲の核としているという、この後続くズーペル・フォーミュラ技法が提示されていて、まさに目からウロコの思いでした。*4

ほか、ほとんど再演の機会に恵まれていない曲や、古い作品の新録の理由など多くの秘密がこの本には濃密に詰まっています。

おわりに

シュトックハウゼンのすべて」で私が何より嬉しかったのはこれだけの内容が詰まっていて税込み約3000円という値段の安さです。

音楽書と神学書は高価なのが通例なのですが、CD1枚分の値段で買えるということは多くの人に読んでもらえる可能性が大きいと思いますし、これまで電子音楽「少年の歌」だけ聴いて満足していたようなリスナーにとっても、さらに大きな楽しみが広がるものと思います。

併せて、こちらのサイトや書籍も参考にするのが良いかと思います。

 

松平 敬 website | Takashi Matsudaira website

 

シュトックハウゼン音楽論集 (エートル叢書)

シュトックハウゼン音楽論集 (エートル叢書)

 

 

 

*1:日本ではカラオケブーム絶頂期に並行して売れていただけという説もありますが、それではなぜ日本では御大ミュージシャンのボックスセットのようなものがいまだに売れ続けているのかは謎のままです。

*2:ドイツ・グラモフォンから版権を引き上げて自家出版となったようです。おかげで本来なら絶対に商業ベースには乗らないような派生作品も聴けることとなりました。

*3:余談ですがシュトックハウゼンに何の先入観も持っていない私の妻は「シュトックハウゼンはお茶目でかわいいと言っています。

*4:CDのブックレットには記載されているのでしょうが、今振り返れば私はそこまで深く読み込んでいなかったようです。

痩せ薬(医師処方)と徹底カロリーコントロールで三ヶ月で6キロ痩せた話

私は持病で糖尿病を患っており、それほどひどい検査数値ではないのですが、やはり体重というかBMI値をなるべく正常値に戻さないと治療の効果が出ないとのことなので、医師に処方してもらっている痩せ薬(痩せるための薬ではなく糖尿病の薬の副作用または間接作用で痩せるということです)と徹底カロリー計算で毎月2キロペース合計6キロの減量に成功したので、その話を書いてみます。

ヤミ入手を防止するために痩せ薬の具体的な薬品名は書かないことにします。また、薬を飲んでも暴飲暴食をすれば痩せません

 1 目標

2019年中にBMI値を25以下(標準体重)に戻す。(現在は軽度肥満)

keisan.casio.jp

 

2 治療薬の効能

3種類あるのですが、1つ目は摂取したカロリーのうち一定量(200Kcal程度)を体外に排出します。

残り2種類は副作用として胃腸の動きを弱めるので、腹が減ってもあまり食べたいと思わなくなります。(夏バテのような状態を連想してください。)

 

3 設定した日々の摂取カロリー

私の身長、体重、年齢及び生活強度から算出した基礎代謝量は1日約1800kcalなので、このエネルギー量を毎日食べ続けるということにします。
(実際に、糖尿病で入院してみるとこれくらいのエネルギー量に調整された食事が出されます。)

 

4 いわゆるレコーディングダイエット

スマートフォンアプリがいろいろ出ているので、好きなものを使えば良いと思いますが、私が使っているのはフィットネスクラブを運営するコナミが出しているアプリです。

設定したカロリーをオーバーすると警告が出され、オーバーした分はその週のうちに調整して、おおむね1800Kcal☓7日=12,600Kcalで収まるように調整する必要があります。

少々オーバーしても大勢に影響はないのですが、オーバーすると相当ビクビクして次の日を少食にしようと心がける感覚が大事なようです。

 

f:id:sanayan999:20190202060758j:plainf:id:sanayan999:20190202060827j:plain

※右の図について、濃い赤が平均体重曲線、薄い赤が日々の体重曲線で、平均体重曲線が下降していれば、リバウンドはないものと考えます。 棒グラフの赤はカロリーオーバー分です。

 

5 運動

しないよりはしたほうが良いのですが、特に運動好きでもない人が食事制限をしながら運動もするというのは結構なストレスで、その反動で食べてしまうおそれがあります。

そうしたわけで、私の場合は冬は雪かき(生活する上で必要な作業ですが一応カロリーは消費します)、夏は自転車乗り(往復30分程度。ただ乗るだけではつまらないので、ちょうどいい場所にあるイートイン付きコンビニに寄って100円コーヒーを飲みながら一服しています。)

雨で外出できない時は、ラジオ体操をやっています。

 

6 オススメの食べ物

(1)マンナンヒカリ

 

大塚食品 マンナンヒカリ 1.5kg [通販専用商品]

大塚食品 マンナンヒカリ 1.5kg [通販専用商品]

 

 普通の米に混ぜて炊くと、ご飯一膳あたりのカロリー数が3割くらい下がります。味は特に気にしなければ普通のご飯と変わりないのですが、世の中には「ご飯真理教信者」のような人がいて、ブランド米を高級炊飯器で炊いたものでなければ嫌だということがありますから万人へのオススメではないですが、古くからある有名なダイエット食品です。

 

(2)お刺身定食(ただし魚類以外のもの中心)

お刺身といっても種類はいろいろですが、魚類以外のもの(ほたて、タコ、エビ、イカなど)はびっくりするほどローカロリーです。

それでも刺身盛り合わせということで見た目の豪華さは変わりませんから、上記(1)のマンナンご飯と組み合わせて食べると一食500kCal以下の定食ができるかと思います。

 

(3)果汁100%ジュースと炭酸水

f:id:sanayan999:20190202061546j:plainf:id:sanayan999:20190202061607p:plain

これは非常用です。ご飯時間まであと30分くらいのときに猛烈にお腹が空いてお腹がグーグー鳴ることがあるのですが、これを我慢したあとでご飯を食べるとドカ食いの原因になります。

そこでまで果汁100%のジュース(約70Kcal)を一気に飲んで、そのまま炭酸水を飲むと血糖値が少し上がって炭酸の作用で腹部膨満感が起きることで、疑似満腹感が得られます。

その状態でご飯を食べると、ちょうど良いかやや少なめのカロリーで一食済ませることができます。

 

7 生活習慣改善

太っている人は、必ずしも食べ過ぎが原因とは限らず先天的に肥満体質(代謝があまりよくない)であるか、もともと生活習慣病の傾向があったり、また何かの病気の薬の副作用で太っている場合もあり、あまり自分を責めたり、過酷なダイエットをするのは逆効果のようです。

ただ、それを抜きにしても太っている人に共通している事項として挙げられるのは

(1)夜更かしである。(夜更かしの間にいろいろなものを口にする)
(2)極端な偏食である。(好きなものばかりローテーションで食べる)

というケースが多いようで、最低限「早寝早起」は心がけたいものです。

あと、月に1回くらいは食事制限お休みの日を設けるとダイエットが長続きします。(チートデイなる用語で呼ばれています)

私は毎月29日は「肉の日」と決めてあります。この日は自宅BBQを凄い勢いで食べることにしており、これだけ食べると当分肉は食べたくない状態となって、食事制限が長続きします。
ブラジルのカーニバルと同じ理屈です。*1

なお、女性の場合は甘いものへの誘惑が断ち切り難いという方が多いようで、甘いものを食べるのを我慢し続けた挙げ句ついにブチッとキレてホールケーキの一気食いに走るという話を少なからず聞きます。これも月に一度くらいなら良いのではないかと思います。

common-fitness.com

 以上、サプリ会社からもエステサロンやスポーツクラブからも一切お金をもらっていない、純粋な私の体験記ということで書いてみました。どれくらいアクセスがあるか楽しみです。

*1:キリスト教社会でのカーニバル(謝肉祭)は、何かがめでたいから騒いでいるのではなく、復活祭前のレント(四旬節)に入ると肉食や祝い事を控える習慣があるので、その面白くない期間を乗り切るために事前に肉の食いだめ酒の飲み貯めをするというのが発祥です。ただしカトリックだけです。

サブスクリプション支払額がだんだん増えてきて恐ろしいという件

「インターネットは無料で情報が入手できる夢の技術」と一時期思われていたようですが、確かにWikiや5チャンネルのまとめやYou Tubeのおもしろ動画などは無料で楽しめるものの、極めて高機能で優秀なサービスはサブスクリプションモデルで月額経費を払う必要があります。

月額換算では大したことはないのですが、1年単位や5年単位で考えたときにどれくらいの負担になるのか、改めて計算してみたいと思います。

 

1 プロバイダーとsim料金

我が家の場合は、OCN光とOCNモバイルワンのコミコミのiPhone2台で、おおむね月額10000円。年間12万円です。キャリアのスマートフォンに比べるとかなり割安ではありますが、おそらく再来年あたりから始まるであろう5G LTEと10G通信のための各種底上げ経費がこれからかかりそうです。

www.ntt.com

 

2 サブスクリプション経費

我が家の場合は次のとおりです。

(1)Amazon Prime料金 年額3800円 毎月約300円

これは買い物もプライム・ビデオも含みますから絶対必要です。

(2)Amazon Kindle Unlimited 毎月980円 年間約12000円

書籍が無料で同時に10冊まで読めるサービスですが、あまり大した書籍はないのです。むしろ、有料なら絶対に買わないような書籍や雑誌が並んでいるので、気軽に情報収集できるという点と、それらの書籍を読む時間が費やされて、ムダな書籍代(読みたいけどカネを払いたくない)が抑えられるのがメリットです。

電子書籍も本格的に立ち上がってはきているのですが、専門書や郷土資料の類は紙媒体に頼るほかはなく、なるべくならブックオフの中古本で揃えて電子化して読むことになります。

(3)Spotify 毎月980円 年間約12000円

www.spotify.com

ライトな音楽ファンなら、Amazon Primeに含まれるAmazon Musicで十分なのでしょうが、相当ヘビーに聴きたい自分は有料サービでなければダメです。

代替サービスはいくつもありますが、私の周囲の人はみなSpotifyユーザーなので合わせている状態です。

(4)iCloud  50Gプラン 毎月130円 年間 1560円

無料プランでもよさげなのですが、Appleユーザーである以上、端末間の一斉同期にはiCloudを必要とするので仕方なく使っています。

(5)Google Drive 200Gプラン 毎月380円 年間 4560円

こちらは主にバックアップ用。相当前から所持していてiPadに格納している音楽ファイル、映像ファイル、電子書籍ファイルなどを格納しています。

(6)Day One  毎月350円 年間4200円

Appleユーザー必携の日記ソフト。今のところこれ以上の製品はないので、これからも使い続けることになりそうです。

 

以上で、年間経費26,120円となります。通信経費と合わせれば147,000円程度です。

5年で80万円弱 

プラットフォームになる、iPhoneiPadは5年買い替えとすれば、次の更新時の出費はおそらく20万円になりますから合わせて80万円。安い中古車相当分にはなる計算です。

 

3 これから導入を考えているもの

(1)コストコ

アメリカ型の倉庫型巨大スーパーコストコは、2019年内にネットショップをオープンさせるという報道も出ていますので、久しぶりに再入会しようとも思うのですが、年会費4800円はAmazon Primeに比べて決して安いとはいえず、直径45センチのピザとか一個500キロカロリーくらいありそうな巨大マフィン10個入りとかいうものがあるので、間違いなく太ります。

とはいえ、実店舗に行くと楽しいんですよね。時々妙なものも売っていますし。

www.cc21.jp

 

(2)Evernote有料プラン

いわゆる「ネットの魚拓取り」サービスなのですが、有料プランに加入すれば思考ツールとしても使えますし、Apple Pencilで書き込みもできますが、月額600円はさすがに高いかなということで、躊躇しています。

 

(3)You Tube Premium

 昨年暮れにロンチされたこのサービス、今のところ「広告なしで視聴可能」「バックグラウンド再生」というのが売りですが、最終的にGoogle Play Musicを置換してローカル音源もアップロードしてストリーミングできれば文句なしですけれど、まだそこまでは至っていないようです。

そのうち、誰かがレビュー記事を上げるでしょう。

matome.naver.jp

オンラインストレージもそのうち容量をアップさせる必要が生じますし、毎月支払額5000円を超えないよう、調整してみます。

新元号(名称未定)元年に始めることと撤収すること(個人メモ)

今年2019年は、今上天皇が退位して徳仁親王殿下が即位することに伴い新元号の最初の年となります。

そこで、今回は新年の抱負と同時に、撤収する物事も記念として書いてみたいと思います。

もう年齢的にまったく新たなことを始めるのは難しいですから、これまでやってきたことの中から継続してやっていきたいことを厳選していくことにします。

要するに新年の抱負であって、他所様に聞かせる話でもないのですが、「公開する」ということで、自分に気合を入れる意味を込めて書いてみます。

引き続き継続すること

料理

それほど本格的なものではなく、炊飯器クッキングと自家製発酵食品(納豆、ヨーグルト、塩麹、甘酒など)を中心に休日に何か作っていこうと思います。

あと、学生のころからやっているカレーやラーメン作りもボチボチ再開しましょう。

 

スキンヘッドと化粧

これは趣味ではないのですけど、これまで薄毛隠しに坊主刈りにしていたものの何やら年寄りくさいですし、若い人でもスキンヘッドにしているのを見習って昨年の暮から開始しました。(文字どおりお坊さんと同じ頭です。)

シェーバーで毎日剃る必要があるのですが、朝起きて顔を洗って頭を剃って髭を剃ると一日のはじまりが爽やかになります。*1

化粧・・は、外出時だけですが男性用リキッドファンデーションを塗ってニベアの色付きリップを塗ると、顔色がよくなってなかなか良い気分です。


音楽鑑賞/映画鑑賞ノート

就活や婚活で「趣味は音楽(映画)鑑賞です。」*2と答えるのは「趣味がない」というのと同じだという意見があるのですが、文字どおり仕事以外の人生をかけてのめり込んでいるか、ただの暇つぶしかの違いだと思いますので、私の場合は十分に趣味として通用するものだと思います。

これまで「読書ノート」を付けていましたが、これに音楽と映画が加わる形です。

加えて、今年からは音楽書をもっと読み込もうと思っています。具体的には教会音楽史やあまり聴いて来なかった現代音楽胎動前後の作品(ツェムリンスキー、スクリャービン、シュールホフなど)をもう少し勉強してみたいと思っています。

映画(ドラマも含めて)は、近作のほうが面白いと自分で思っているのですが、教養主義的な人たちが「当然知っている教養」になっている50年代日本映画のうち、まだちゃんんと見ていないものがあるので、これもノートに付けていこうと思います。

 

Linuxと他のUNIX系OS

90年代にはマニアのおもちゃだったLinuxが今やエンタープライズを担うようになっているわけで、もはや昔日のワクワク感はなくなりましたが、ちゃんと一式運用できるようになるまで再勉強しようと思います。

 

撤収すること

陶芸

老後の愉しみには最適にも思えますし、自分だけの茶碗やカップが作れるのは楽しいことなのですが、自宅で陶房を作るにあたり場所はあるものの粘土をこねるわけですから、結構汚れます。

また、さすがに窯焼きは外注(素焼きのあと釉薬を塗ってもう一度焼きます。)になりますから、決して安上がりな道楽ではないので残念ながらもうやらないことにします。

f:id:sanayan999:20190114141400j:plain

マイ茶碗

作曲編曲

たぶん音大生かアマチュアの作曲家なのだと思いますが、格安で作曲を引き受けてくれるというので、自分の名前を音列にした曲や、ミニマルフレーズ3つのフェーズパターンを重ねる曲などを作ってみたのですが、どうも自分にはあまり才能がない*3ことに気がついたので撤収します。

そういうわけで、2019年の抱負でした。

 

 

 

*1:本当は眉も剃ろうかと思ったのですが、怖い顔になるからやめておけと強く止められて断念しました

*2:どうしたわけかそういう場で答える音楽のジャンルはクラシックかジャズでなければならないようで、わざわざそれを云うための安直な入門書が出ているくらいです。

*3:中学生のときに文化祭の出し物のためリコーダー合奏の「赤とんぼ」の編曲を任されたのですが、まともに笛が吹けない生徒のために大太鼓とタンバリンを任せたら、彼らが力任せにぶっ叩くものだから悲惨なアレンジになったことがあります・・・

山根明季子さん新作「THE FOLDED TIME」に私の少年時代の想い出を重ねてみました

作曲家 山根明季子さんの新作CD 「THE FOLDED TIME」を先日より堪能させていただいています。

 

f:id:sanayan999:20181229061303j:plain

この作品は音響イベントまたは一種の集団即興のような形で10時間にわたり行われたもので、誰でも(といっても楽器がちゃんと弾ける人だと思います)好きな時間に参加して、「なるべく長い持続音」(←ここ重要)を出し続けるというものだったようです。

CD化に当たっては、10時間の音響を25分弱に凝縮したことで、短い音はパルス状に飛散し、ある奏者が10分程度鳴らしたであろう音が数秒程度で入れ替わるなどで、結果的に電子音響のような感触になっています。

山根さんの音楽との出会い

作曲家自身が積極的にSNSで情報を公開し、リスナーがそれを論評したものを拡散したりしている現在、知らない作曲家の作品に触れる方法はいくらでもあるわけですが、山根さんの作品については、NHK MUSIC TOMMOROWのBS収録放送を特に理由もなく録画していて、この時に演奏されていた「水玉コレクション No.06」を聴いて音が出た瞬間腰を抜かしそうになったようのが始まりです。(60年代用語を自虐的に使うと「シビれた」というのが相応しいかと思います。)

 以降、主にYou Tubeで山根さんの作品はすべてチェックするようにしています。

少年時代の想い出を重ねてみる

時代は1970年代末。ロック史の中では「ポストパンク」と呼ばれていた頃、ガラクタのような機材とテープレコーダーを集めてきて音響作品を作り上げるのが普通に行われており、当時のスローガン「D.I.Y」「楽器の下手な俺たちにもできるんだ!」というある意味無謀、ある意味希望に溢れた時代の雰囲気に乗って仲間内で音響作品を作り上げました。

今思い返してもなかなかの力作で、短波ラジオ(当時はマニアが多かったのです。)の各国放送の録音、ドラム缶の中にテープレコーダーを置いてあちこち叩いたり、さまざまな発声をしたりする「ドラム缶エコー」の録音、あまりにもボロクソで回転数の落ちているテープレコーダーから繰り返しダビングすることで音程とテンポを落とした音響や、倍速頭出し機能を使った早回し音響などをコラージュした10分程度の作品です。

これはアマチュアのやることだからお遊びということで許容もされるでしょうけど、プロの音楽業界においては「いい加減ちゃんとした音楽を聴かせろ!」という声が大きくなり、80年代後半以降はそういうムーブメントは下火になって行きました。

その頃私は、モダンジャズばかり聴いていた一時期があるのですが、現代音楽が"少なくとも以前よりは"広く親しまれるようになったことに伴い、音盤の入手が容易になりましたから、相当数の現代音楽を聴くようになって現在に至ります。

 

作品の感想

譜面にされたものではないようなので、作品の解説のとおり、音響操作の結果短い音がパルス状に散乱し、ある程度長い音が頻繁に入れ替わるのを虚心に聴くのが楽しいということです。

と同時に、かつてオープンソースソフトウェアのAudaciyを使ってアルヴィン・ルシエ作品の正弦波を操作してどこまでテンポを下げるとうねりになるかを楽しんだり、iPadアプリのVCSシンセサイザーが出す妙な音を逆回転させたりといったことをまたやりたくなってきました。

ただ、老人ではないものの決して若くはない自分の人生の残り時間を数えると、山根さんの新作に期待しながら過ごしたほうが有意義だろうなと思います。

私は長年読書ノートを付けているのですが、来年からは音楽鑑賞ノートも付けようと思いますので、山根さんの作品もYou Tubeに上がっているものから徐々に自分で整理してみましょう。

最近作文力が落ちていてあまり良い文章にならなかったですが、ひとまず感想文でした。

平成の世相を振り返ってみました

平成もそろそろ終わるということで、出版業界はあちこちで「平成回顧」の書籍や雑誌を出していますが、自分の経験に照らしても年表類を調べても、平成とはバブル景気とその崩壊、それに伴う経済金融政策以外に特筆すべきものがなく、激動と呼ばれる昭和に及ぶべきもありません。

 

二度の大震災とオウム事件は特筆すべきでしょうが、ここでは触れずにおいて、このブログの平成の終わりの記念記事として自分なりに「平成の世の中の変遷」みたいなものを書き連ねてみようと思います。

 

○女性活躍・女性の社会参画

男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年ですが、いきなり優秀な女性がドッと社会進出をしたわけではなく、同時に国民年金三号被保険者(一般には有配偶者の女性の年金納付免除)の制度ができたものだから、女性が社会から退出するか、被扶養の枠内に収まるようパート労働縮小を行って地ならしが終わった頃に、ようやく女性の総合職が社会に出てきました。

 

その人たちもバブル崩壊後の景気縮小で社会退出することが多くなり、男女共同参画や女性活躍推進など、多くの政策の果てにようやく軌道に乗りだしたのは平成の終わりくらいになっていたようになります。

 

とはいえ、こういう急速に行われた措置はバックラッシュも発生するもので、上場企業の一般職募集には高偏差値大学の女子学生が殺到するなどの現象も見られ、女性は自分の人生をどうしたいのか、大学卒業時に大枠を決めておいたほうが良いようです。

 

○公共事業と規制緩和とネット通販

1990年台後半、バブル崩壊後の不良債権処理にアジア通貨危機が加わって、すわ日本破産かという状況下で、バラマキを通り越してヤケクソのような公共事業を実施した結果、いわゆるストロー効果で地方の衰退が加速。これに規制緩和と通販が追い打ちをかけます。

 

また、規制緩和によってコンビニやスーパーで酒や煙草が買え、ドラッグストアで日用品や食料品が買えるようになり、これにネット通販が加わることによって生鮮食料品以外のものはほとんど手に入るようになりました。

 

その結果、地方住民の消費の多くが地元に還元されず、地方は衰退から疲弊、そして限界集落へと向かいます。

○IT


いわゆるパソコンブームとインターネットブームが起きて、現在はスマホさえあれば良い人も増えてきましたが、会社ではやはりPCは必須の道具です。

それまで一部専門電算要員の仕事だったデータ処理は、全社員必須のスキルとなり、飛躍的な業務能率の向上が見込まれましたが、実際にはそれとは逆に一層多忙になったというのが実情でした。

つまり、メインフレームの時代には定型資料の出力だけで、さらに必要に応じて電卓を使いながら加工していた頃は、数種類の資料作成で済んでいたものが、Excelの普及によって数十種類の資料が求められるようになりました。

 

ただし、多様な情報を提示されればされるほど判断に時間がかかりますし、公表するのが憚れる資料は改訂(改竄ではなく、もっともらしい理由で特定の母数を省くなど理屈のとおる形で調整する)を求められるようになってビジネスマンはいよいよ忙しくなりました。

 

○貧困の発見と消費


放送大学講師の西澤晃彦教授の説明によれば、日本が高度成長期に入って以降、あるいは一億総中流と呼ばれるようになってから、貧困とは発展途上国の貧民街のような外国の話であって、日本には貧困は存在しないものとされていたそうです。

 

ようやく貧困が日本社会の現実であることが自覚されたのは、なんとリーマン・ショック後に派遣切りが横行し、派遣年越し村の窮状を見るに及んだ頃からだそうです。

 

結果的に貧困状態にある人には最後のセーフティーネットである生活保護で生計を立てる方法があるわけですが、そういう家庭はかつてエンゲル係数をもじってエンジェル係数と呼ばれた子どもの教育費に割く予算が乏しく、子どもの自己努力だけで一人立ちさせるのが非常に困難なのが現状ですから、ここに貧困の再生産という社会現象が出来します。

 

一方で、かつて『世間並み』を買うものであった消費は、平成に入って『自分らしさ』を買うものとなり、自分らしさはどこまで追求しても達成感はないわけですし、取り立ててそういうものを求めない人は断捨離やミニマリズムといった別の極端に走り、手に入らないものもない代わりに欲しいものもないという状況になっています。


かくいう私も、欲しいものといえばデジタルデータ(配信で提供される電子書籍、音楽、映画など)とそれを処理するデバイスくらいのもので、家は借家で車は10年以上乗っている軽車両で、何も不便を感じていません。(私は嗜まないですがゲームの高性能化も大きいでしょう)

 

大前研一氏は、手に入らないものもない代わりに欲しいものもないという状況を「低欲望社会」と名付けていますが、こういう社会が続けば良いとまでは思わないものの、身の程さえ知れば気楽な世の中になったものだとつくづく思います。