述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります 遥か古代から続く終わりの始まりを見据えて

RPA大売り出しで働き方改革は頓挫するだろうと予感

人手不足と働き方改革を同時に解決しますという名目でRPA(Robotics Process Automation)を弊社でも大売出し中ですが、もう何十年も繰り返されてきたITベンダーの口車に乗せられて費用対効果が少なく余計な手間が増えるという惨禍が増えるだけではないかと思っていたら、同じような意見を表明している人がいたのでご紹介します。

 

www.itmedia.co.jp

 

あらゆるソリューションは過去に類例がある

Macにはずいぶん前から搭載されているApple Scriptは指定フォルダの定期バックアップなど主にOS操作に関する自動化ツールや、主にWebのマウス操作に限定されたマウスマクロなど、便利ツールとして公開されていたものがありますし、さらに歴史の長いバッチ処理というものもありますので、RPAと聞いても特に感動するわけではなく、活用例を見てもExcelからWordへの転記といった、その作業自体が非効率なものばかりで、私がシステム担当だったらどう考えても導入には二の足を踏みそうです。

 

古いシステムはその単純さゆえに効率的なこともある。

私が業務で使用しているシステムは、データ源泉が各社員からのメールで、担当者がマクロ付きExcelに転記(エディット・バリデーション・チェックはマクロが実施)して、出力したCSVファイルをWebシステムに投入するだけです。

もう20年くらい改良されていないシステムですが、仕組みとして単純な分、ほとんど手間がかからないのです。

その他、データ統計系の業務については、基幹系からCSVファイルを落としてきて加工するわけですが、Excelで全部手作業をするのではなく、集計前にawksedで整形しておけば、作業時間は3分の1くらいになります。

シェルスクリプトも単純なものなら、1日でかけるはずです。


非効率なシステムのかなりの部分はアグリー(UGLY)なExcelファイルにある

どこの会社にも溢れかえっているであろう、仕様の怪しいVLOOUP関数を張り込んだExcelファイルは、参照用テーブル(シート)に管理者による保護がかけられておらず、いきなり参照用テーブルを勝手に書き換えて、#N/Aエラーを多発させていることが多く、業務そのものよりもその関数や参照テーブルのメンテナンスに時間がかかっていることも珍しくありません。

最近は、あまりの惨状にマイクロソフト自身がVLOOKUPを極力廃してリレーション機能という、いわゆるRDBMS的な機能を搭載してきていますが、私も一応試してはみたものの、やはり表計算表計算であって、あまり期待される効果は得られないようです。

 業務要件や仕様の変更が起きたとき

外的内的要因により個別のWebシステムとそれに対応するExcel Wordの仕様が変更になったときに、RPAが即座に対応できるようになるのでしょうか。

おそらく半年くらい業務が止まって完全手作業になるのではないかと思います。

 

それをせずに、非効率なシステムを隠蔽(いんぺい)するかのように小手先の自動化(というとRPAかいわいの方々から怒られそうですが……)で逃げるのでは、この非効率なワークフローが、また今後何十年も手を付けられずに生き残ることにならないでしょうか? しかも、それをRPAで解決できる大手企業は効率化が進み、そうでない中小企業は相変わらず……、ということになれば、企業間の格差が広がる一方です。

 上記記事より抜粋

 

どのみち変化に即応できないのならヒューマンパワーによる外注が一番良い

単純作業の繰り返しというのは何も機械で解決させるだけではなく、積極的に外部リソースを活用したほうが柔軟性があって、変化にも即応できるはずです。

早い話がアルバイトさんに単純作業を任せてしまうほうが長期的には得策だと思います。人間が単純作業を連続すると飽きによるミスが起きやすいのですが、RPAにおまかせして安心していたら処理が止まっていたというリスクのほうがずっと大きいように思います。

以上、勝手なことを書き連ねましたが、くれぐれもRPAの導入を間違えて日経コンピュータの「動かないコンピュータ」で特集されないことを願うばかりです。