述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります 遥か古代から続く終わりの始まりを見据えて

アップルミュージック 配信音楽がついに国内問題になっている件について

Apple Musicが本格配信サービスに乗り出したことでブロガーがさまざまな賛否意見を出していますが、ついに国営放送であるNHKまでが「クローズアップ現代」で特集番組を放送したようです。

 

私は放送を見逃したのですが、概要がアップされていましたので、まずはリンクしてみます。

 

www9.nhk.or.jp

 

音楽は、なんらかの形で「社会現象」あるいは世相の反映である場合が多いですが、「社会問題」であるはずがないので、これは50年以上も前から指摘されていた利権問題がついに破綻の危機に瀕しているのだと思います。

 

私はただのリスナーであって、どちらかといえば金を払って聴く立場ですから、良い音楽が安く聴けるのなら有り難いですし、自分の知らないオススメ曲がレコメンドされるなら、大変楽しいことです。

 

上記の概要文で一切触れられていないことをいくつか書いてみます。

 

(1)再販制度によって業界団体が囲い込みをしているのでCD(かつてはLP)が高価であること。

(2)クラシック音楽のように数十分もかかる音楽はともかく、ポピュラー音楽のアルバムは一種の「抱き合わせ商法」であること。(ピンの立つ曲を売るために捨て曲も入れますし、ジャズのボックスセットなどではfalse start(出オチ)まで入れていることがあります。)

(3)リマスター技術の向上によって、50年前の曲も昨日の曲も「今の音楽」として聴こえるようになり、新曲を聴きたい欲求が薄らいだこと

(4)大衆音楽は、ダンス文化に寄り添う形で親しまれてきていたものの、日本ではダンス文化そのものが衰退していること。(ほかにも娯楽はたくさんありますし、ダンスが好きな人には専門の音楽があります。)

(5)世界的潮流としてメインストリームは欧米の音楽で、いわゆるJ-POPは辺境音楽になること。

(6)その他、良く言われるように娯楽が多様化しているので、LINEを使って食事をしようとか、飲みに行こうとか、子どもが学校を卒業したとかいうネタで盛り上がっていれば十分楽しいという人に無理に音楽を聴かせる必要はないこと。

 

何人かの御大ミュージシャンが、(音楽配信サブスクリプションモデルでは)後進の育成が困難になるという意見を述べているのですが、そう心配したものでもないのではないかと、私は思います。

21世紀の日本の音楽シーンでの大型新人は、「ボーカロイド」と「ゲーム/アニメミュージックの編曲」だという意見もありますし、御大様はご自身が伝えたいと考えることを伝えていけば、あとは後の世代が自分たちで考えるだろうと思います。

 

あと、音楽は聴くだけではなく、観る/見る要素も大事ですから、そういう方向での発展があればなお良いです。海外ですがビョークのライブパフォーマンスはステージに毎に大きなサプライズが盛りだくさんです。

エンターテイメントに徹するのなら、ゴールデンボンバーのようなエアバンドでも見ていて十分楽しいでしょう。

 

私は、ずっとLP/CDを追いかけていた年代なので、「名盤神話」にとらわれがちですが、自分が考えたプレイリストをコレクションして堪能しているほうが楽しいですし、そのついでに「こういう曲もオススメですよ」という提案があればさらに楽しいでしょう。

そのオススメ曲が50年前の曲であっても、昨日発表された曲であっても、特に分け隔てなく堪能すれば良いのではないかと思います。 

「あなたは音楽をどう愛する」という問いかけは、リスナーにとっては大きなお世話であって、最新版のiTunesで実装された♡(LOVE)タグを付けた楽曲が、自分の愛する音楽であろうと思います。