述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります 遥か古代から続く終わりの始まりを見据えて

昭和紳士と令和庶民~オーディオブランドONKYOの身売り

国産オーディオブランドのONKYOが、ついに外資に身売りしたとのことです。

https://www.mag2.com/p/news/399894

 

この件で、ネット上では特に中高年層から

「若い人はコンポーネントオーディオが出すオープンエアーサウンドの空気の振動の良さがわからないのだろうか」

「こんなことでは日本の音楽文化はどんどん衰退していってしまう」

 という、お嘆きの声が予想どおりに流れていますが、私のイメージでは、パワーアンプ✕2、メインアンプ1,イコライザー、CD/LPプレイヤー、スピーカーというコンポーネントオーディオがあって、同じく膨大なLP/CDコレクションと書籍がある部屋で自分の世界に浸っているのは、典型的な「昭和紳士」(お金持ち)の姿で、いまどきよほどの資産家でもない限り、そういう道楽を持つのは不可能でしょう。

もっともハイエンド・オーディオマニアはONKYOなどはあまり相手にしていないと思いますが、日本の技術が続々外資に流れるのは残念なことではあります。

昭和紳士の具体的な名前を挙げると、オーディオ評論も手がける作家の五味康祐氏や、作曲家の團伊玖磨氏などが想起されます。

-------

一方、私は「いつでもどこでも」音源に触れられる音楽体験のほうが重要で、ある程度高品位のイヤフォン/ヘッドフォンにiPhoneがあれば満足しており、我が家の普段聴き(聴き流し)用にあるのは、1万円程度で購入したSONYBluetoothモバイルスピーカーということになっています。

それでは本物の音楽体験ができないと仰る御仁もいるのですが、なにしろ私はFMエアチェックと友人とのLP貸し借りとそのダビングでコレクションを増やしながら音楽を聴いた世代。それでも音楽への感動と情熱は薄れていないのです。

-------

平成末期の断捨離/ミニマリズムを経た、令和の庶民でありたい自分は、テーブル置き用のこのスピーカーを買おうと思っています。 

できれば、我が家のリビングに鎮座している古いコンポーネントオーディオも処分して、テレビ用のサウンドバーに買い替えたいのですが、なにしろ妻が典型的な昭和紳士(女ですが)なので、スピーカーのコーン紙が見えないのはイヤだと主張する有様。

今年度中になんとか彼女を説得しようと思っています。
---

現在、リサイクルショップを見て回ると中~高級オーディオ装置が山のように積まれていて、その多くは亡くなった昭和紳士の遺品であろうと思います。

かつての持ち主が人生をかけたかのような高級オーディオを見るにつけ、やるせない思いがつのります。自分があの世に行くときもなるべく身軽にしておきたいものです。