面接官をやったことがあるのでその時の話を書いてみるよ
しばらく前に人事の面接官をやったことがありますので、その話を書こうと思います。
もっとも、正社員の面接ではなく、短期の非常勤職員の面接で、通年雇用ではないものの、正社員と同様の職務をこなしていただく必要があり、アルバイトの面接よりはかなり格が上がります。
私は人事担当ではありましたが、管理職ではなく、本来採用面接というものは管理職が行うのが基本ですが、なにしろ採用の条件が「PCスキル必須」というものだったので、他人のPCスキルが分からないどころか、自分のPC操作もおぼつかない管理職からの丸投げ で私が担当しました。
人事にとって一番怖い言葉、それは「人事の目は節穴か」です。雇ってはみたものの、小便の仕方から教えなければならないようでは困りますので、相当真剣に対応しました。
とはいっても、採用の最重要ポイントは「見た目」です。つまり、スーツ姿がシャキッと決まっている人は、おおむね能力も高いことが多いので、業務経歴を確認して、履歴書を見て持っている資格をチェックする程度でした。つまり「気合」で決めていたというのが実態です。
採用対象者は基本的に事務担当の社員ですから、応募者は圧倒的に女性が多いのですが、一番面倒だったのは社内事情です。
私が採用を決定した女性には、次のようにお話していました。
「今回あなたを採用したのは、あなたの能力と保有資格と経験に照らして当社で是非働いてほしいと思うからであって、女性を優遇したわけでもないですし、美貌などで選んだわけでもありません。業務の一部に接遇があり、これは早い話がお茶くみです。あなたの給料の中にお茶くみが含まれていますから、女性の仕事だと決めつけているわけではありませんし、あなたにたまたまお願いしているというだけです。配属先は男性の多い職場ですので、もしセクハラまがいの言動があった場合にはすぐに私にお知らせください。」
この件について、お茶汲みの話はもはや遠い昔なのかと思いきや、そういうことをやって差別化(素直になんでもやる女性であることをアピールしたい)を図りたい女性正社員の目と、事務系社員が結果的に女性ばかりになっていることについてのポジティブアクション反対派の目があり、早い話、女性が女性の足を引っ張っている構図はもう何十年も変わりません。
いつの時代も人事は面倒であることに変わりはないのですが、もし就活生さんが現役の学生さんであって、学業に余裕があるのなら、インターンシップになるべく通って、スーツ姿がサマになるようにしておいたほうが良いと私は思います。
こういうこと(意識高い系)をいくらやっても、人事の目は節穴ではありませんから、ちゃんと見抜かれていると思います。もっともそれはある程度のしっかりした企業の話であって、世の中には100人採用して10人残れば良いという博打のような人事をする会社もありますので、まぁ就活生も見る目を養っておいたほうが良いでしょう。