述而不作 いにしえの未来

占い師の見てきた世の中を語ります 遥か古代から続く終わりの始まりを見据えて

音楽

(音楽夜話)ANCキャンセリングヘッドフォンで聴くベートーヴェン

一応ミニマリストを標榜しているので、我が家のオーディオはそれはそれは貧相なシステムです。 スピーカーは充電式のSONYのポータブルスピーカー、イヤフォンはAppleのAirPodsでほとんど場所を取らないわけですが、どうしてもアンチノイズキャンセリング(AN…

(展覧会鑑賞記録)奇蹟の芸術都市 バルセロナ展 ―ガウディからピカソ、ミロ、ダリまで―

台風の「た」の字もなかった札幌の三連休、被災地の皆さまには誠に申し訳ないことですが、標題のような展覧会に足を運んできました。 折しも紅葉の季節、自然の中に作った美術館の外はは色とりどりの木の葉に囲まれていました。 artpark.or.jp なにやら大御…

【市民講座】音の形とデザイン 受講メモ

札幌市立大学の市民向け講座「音の形とデザイン」なるものを受講してきましたので、その記録を書いてみます。市民向け講座を受講するのはルドン絢子先生の中世音楽講座以来です。 tukurazu.hatenadiary.com 講義の前半は音の波形と周波数およびその組み合わ…

「変な音楽」のある風景~記憶の彼方にある人々の阿鼻叫喚

変な音楽の定義 私は特段の偏見なしに面白そうな音楽はひとまず聴いてみて、自分の感性がどう動くかを確かめながら資料を読んだり、その音楽が一般に呼ばれているジャンル全体を考えながら堪能しているのですが、特に音楽好きというわけでもない人たちにとっ…

昭和紳士と令和庶民~オーディオブランドONKYOの身売り

国産オーディオブランドのONKYOが、ついに外資に身売りしたとのことです。 https://www.mag2.com/p/news/399894 この件で、ネット上では特に中高年層から 「若い人はコンポーネントオーディオが出すオープンエアーサウンドの空気の振動の良さがわからないの…

(コンサート見聞録)カテドラルコンサート「聖母マリアの夕べの祈り」

2019年5月18日、カトリック北1条カテドラルで行われた「聖母マリアの夕べの祈り」全曲演奏会に行ってまいりました。 カトリック札幌北1条教会について いきなり英語の解説ですが、チャーチ(Church)は一般的な教会、チャペル(Chapel)は聖堂(つまり中)そ…

【補遺】わたしとシュトックハウゼン~青春の日々から老後まで

(この文章はわたしの個人的な音楽体験を綴った雑文です。) わたしの三大ヒーロー 音楽に多感になりがちな中学生の頃から今に至るまで私の三大ヒーローミュージシャンは ○キング・クリムゾン○カールハインツ・シュトックハウゼン○マイルス・デイヴィス です…

【BSプレミアム】西村朗「紫苑物語」鑑賞記 業(ごう)の行方は何処や

www.nntt.jac.go.jp 今年の2月に東京オペラシティ「新国立劇場」にて上演された掲題のオペラをBSプレミアムにて鑑賞しましたので、思うところをいろいろ書いてみます。 鑑賞のきっかけは私が主にネット上で交誼を賜っている松平敬さんが出演していることです…

(コンサート見聞録)ペンデレツキ/ショスタコーヴィチ/ストラヴィンスキー(札響第617回定期演奏会)

春はまだ遠い3月の札幌で怖い曲ばかりのラインナップ 東京基準ではすでに春の始めにもかかわらず、札幌では時候の挨拶が「初春の候」ではなく「解氷の候」になる3月16日。みぞれ降る寒い中、札幌キタラホールまで掲題のコンサートに足を運んできました。 演…

松平敬著「シュトックハウゼンのすべて」読後感想文

シュトックハウゼン作品の演奏においては、日本におけるスペシャリストのひとりであり、ドイツ・キュルテンで開催されるシュトックハウゼン講習会に何度も参加して、いくつか受賞もしている松平氏が、20年以上に及ぶ研究の成果を体系化したシュトックハウゼ…

山根明季子さん新作「THE FOLDED TIME」に私の少年時代の想い出を重ねてみました

作曲家 山根明季子さんの新作CD 「THE FOLDED TIME」を先日より堪能させていただいています。 この作品は音響イベントまたは一種の集団即興のような形で10時間にわたり行われたもので、誰でも(といっても楽器がちゃんと弾ける人だと思います)好きな時間に…

<現代音楽入門書>こんな書籍にお世話になりました

「現代音楽」という、そもそも定義が困難でありながら一ジャンルを形成している音楽を聴いてすぐに感動できたという方は稀だと思います。しかし、もし少しでも興味が湧いたというのであれば、すでに感動の入り口に立っている状態でしょう。 ただ、闇雲に聴け…

低音デュオセカンド・アルバム「双子素数」の感想

チューバ(orセルパン)とバリトンによるユニット 低音デュオの第2作目が3年ぶりにリリースされたので、早速購入鑑賞をいたしました。今回も早速感想を書いてみたい思います。 双子素数 アーティスト: 低音デュオ[声/バリトン:松平敬?チューバ、セルパン:橋…

THE鍵KEY(フランチェスカ・レロイ 谷崎潤一郎原作)講演 2018/05/19千住仲町の家にて鑑賞の件

去る5月19日、掲題のオペラを鑑賞してまいりましたので、感想などを簡単に書かせていただきます。 francescalelohe.weebly.com 音楽の内容と鑑賞場所との相性にまつわる件 音楽学者の岡田暁生氏によると「ある音楽を聴いて感動できなかったとすればそれは演…

どうしてプログレから離れちゃったんだろう(市川哲史氏へ)

70年から続く批評系音楽雑誌「ロッキング・オン」のプログレッシブ・ロック(以下「プログレ」)担当(?)市川哲史氏が出版した「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう」を、発売から相当経って読了しました。 市川氏の過去のインタビュー記事を…

ウィントン・マルサリスがいかに素晴らしいか(またはつまらないか)に関する件

ウィントン・マルサリスは押しも押されぬモダンジャズの巨人と目されながら日本では皆目人気がない、場合によっては無視に近い扱いを受けている件について、自分も実はあまり彼の演奏が好きではなかったのですが、聴かず嫌いなのかもしれないと思って、改め…

札幌国際芸術祭2017:なぜかシュトックハウゼン・刀根康尚・クリスチャン・マークレー

札幌芸術の森美術館で開催された札幌国際芸術祭2017に足を運んできました。 siaf.jp 近年よくある市民参加型のアートイベントで、美術/音楽/工芸/パフォーマンス等の展示が市内各地で同時多発的に実施されています。 あまり世評は良くないようですが、この種…

J-POPしか聴かない妻がクラシックやジャズについて述べたコメント集

音楽の趣味は人それぞれですから、「この曲を聴いて感動するべきだ」などと強制するのは、他人の内面の自由を束縛する野蛮な行為です。 だから、私が聴いているクラシックやジャズ(ときどきロック)について、「全く感動しない」という人がいるのは当然のこ…